
子どもでも無呼吸症候群になるか調べてみた
近年問題となっている無呼吸症候群ですが、大人が発症することが多く、仕事や運転などに支障をきたす重篤な病気の1つです。
その原因は日中の眠気によるもので、倦怠感も伴うため、集中力が欠けて正常な生活を送ることができなくなります。
では子どもでも無呼吸症候群になるのでしょうか。また大人とは、どのように症状が違うのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
子どもの無呼吸症候群の発症率
大人に比べて無呼吸症候群の発症率は少ないものの、新生児や乳幼児でも発症する病気です。その中でも小学生などの小児の発症率は1~3%となっています。
子どもの場合、日中の眠気を感じることが少ないため、気づきにくいという特徴があります。
子どもの無呼吸症候群の原因
大人の場合と違って、肥大した扁桃腺やアデノイドによるものが多いのが特徴です。
アデノイドは、鼻とのどの境目にある扁桃組織のことで、空気の通り道である上気道が塞がれることで無呼吸やいびきが引き起こされます。
小児は成長過程ですので、扁桃腺などの組織も成長を続けます。だいたい3~6歳くらいで扁桃組織も成長を終えますが、場合によっては肥大してしまうこともあります。
また寝ている間に分泌される成長ホルモンの分泌が少ないと、成長を遅らせてしまいます。
子どもの無呼吸症候群の症状
小児の無呼吸症候群の症状は、大人と同じように集中力の低下が挙げられますが、落ち着きがなかったり、イライラするなど注意欠陥多動障害と似た様な症状があらわれるため、ADHDと間違われるケースもあります。
また小児特有の症状も多く、中耳炎になりやすい、気管支炎になることが多い、良く口を開けている、昼間にすぐ寝てしまう、発育や学力の遅れなどが見られます。
後は大人と同じように、寝起きが悪い、夜尿が多い、いびきなどがあります。
睡眠のリズムが崩れると、成長ホルモンの分泌が減り、成長が遅れるのはもちろん、やる気がなく、不登校や引きこもりなどになることも考えられます。
親が早い段階で気づいてあげるようにすることも大切です。
子どもの無呼吸症候群の治療法
子どもの無呼吸症候群の原因は、扁桃腺の肥大やアデノイドであることが多いため、基本的にはそれらを切除する手術治療を行います。
おもに3~6歳の生理的な肥大時期に行いますが、3歳未満でも早期発見により手術を行う場合があります。
稀に、あごの形に異常があったり、肥満であったり、神経疾患などがある場合には、手術が困難とされ、そのまま保存的治療が行われます。
その場合は大人同様、CPAP治療を施しますが、子どもの場合には装置をつけて寝ることがむずかしいことも多いです。
最後に
睡眠は体の不調を回復するための大切な時間ですが、子どもの場合は成長をするための大切な時間です。
この睡眠を妨げられることによって、成長も遅らせてしまうことにつながります。そのため、ADHDのような注意力散漫や学習能力の低下という症状があらわれることがあるのです。
しかし一番の目安は、大きないびきをかいているかどうかですので、注意して見守るようにしてください。