
もしかしたら自閉症?ASDの主な症状・特徴とは
自閉症という名前から受ける印象によって、自閉症を間違って認識している人が多いことでしょう。
育った環境や経験した出来事によって、人と距離を置き、自分の殻に閉じこもってしまう心の病気だととらえている人もいるでしょうが、そうではありません。
生まれつき脳の機能に障害があり、特定の行動が極端に苦手だったり、極端に得意だったりする場合もある脳の病気です。
知能や言語能力に発達障害があるわけではありませんので、大人になるまで気づかない場合もあります。
では具体的に、ASDにはどんな症状や特徴があるのでしょうか。
ASDの症状や特徴
自閉症には、三つ組と呼ばれる3つの大きな特徴があります。このすべてに当てはまった場合に、ASDと診断するという規定があります。
まず対人交渉の問題です。子供の頃は、人見知りをせずに誰にでも抱っこされたり、親を追いかける行動をほとんど取らない場合があります。またその逆もあり得ます。いずれも極端であるということです。
次はコミュニケーションの問題です。人との関わりを避けているという意味ではなく、相手の感情を正しく読み取ることができないという特徴です。
自分が見たこと、聞いたことをそのまま学習することが多く、例えば手を振られた時に、相手に振り返す際には掌が自分の方を向くようにして振るというような行動を取ります。
相手の立場に立って考えるという能力が欠けていると言えます。そして最後はイマジネーションの問題です。つまり想像力の欠如です。
不測の事態に臨機応変に対応したり、Aだとこうなり、Bだとこうなるという不確定な事柄を想像して楽しむということもできません。
また一定の行動を反復している場合もあります。
その他の症状や特徴
小さい頃から落ち着きがなく、先生から注意を受けることも多いため、ASDの症状に気づかずに注意欠陥・多動性障害と誤診されることも少なくありません。
また睡眠障害や感覚が極端に鈍かったり、鋭かったりする場合もあります。できることとできないことに極端な差があることも特徴の1つです。
幼い頃は発達が遅かったのに、ある一定の時期を過ぎると急激に色々なことを覚え始めたりすることもあります。それらの症状には個人差があり、皆に同じ症状や特徴が現れるとは限りません。
ASDと間違われやすい病気
注意欠陥・多動性障害と呼ばれるADHD、妄想や感情の起伏が激しい統合失調症、戸締りを異常に気にするなど何かの考えにとらわれてしまう強迫性障害、学習障害と呼ばれるLD、自分に特殊能力があるなど奇妙な言動をするパーソナリティー障害などがあります。
最後に
自閉症やアスペルガー症候群の人は、大人になると自分が人とは違うことに気づき、生きにくさを感じることも少なくありません。
しかしASDは病気ですから、自分だけの力でどうにかなるものではありません。適切な診断を受け、治療をすることが今後の人生を左右することになるでしょう。
特に社会へ出ると対人関係で苦労する人も多いので、もしかしたら自分はASDなのでは?と感じる人もいるかもしれません。
また、他の人はできる仕事ができず、無能な人間だと思い込んでしまい、うつ病を併発することもありますので、異変を感じたら、早めに受診する方が良いでしょう。