
いわゆる自閉症とアスペルガー症候群とされるASDとは
ASDとは、自閉症スペクトラムとアスペルガー症候群のことを言います。
ただし多くの場合、ADHDやLDを併発していることがあるので、ASDだけの症状がわかりにくい場合もあるかもしれません。
ここでは、自閉症とアスペルガー症候群の特徴について見ていきましょう。
自閉症とは
そもそもアスペルガー症候群は、自閉症の一種です。自閉症と言うと、後天的な要素が絡み合って発症する精神の病という印象をお持ちの方もいるかもしれません。
しかし自閉症は、生まれつき持っている先天的な脳障害による発達障害のことです。そのため、育った環境やいじめなどが原因で自閉症になることはありません。
主に自閉症と診断されるのは、3歳までに3つの症状が現れたときです。
・1つ目は社会性の発達障害です。目線を合わせなかったり、暗黙のルールがわからなかったり、同年代の子供と遊べないなど、対人関係に支障をきたします。
・2つ目はコミュニケーションの障害です。まともに話せない、言葉の意味を正確に理解していない、目くばせや指さしなどの意味が理解できないなど、コミュニケーション能力に支障をきたします。
・3つ目は興味や行動に極端な偏りがあることです。同じ行動を反復し続けたり、同じ順序で行うことに安心し変化を嫌ったり、数字やアルファベットを覚えてしまうなど、強いこだわりを示すことが多いです。
ただし、全ての自閉症の人に同じ症状が現れるわけではありません。むしろ個人差が大きいため、一人一人違うことが考えられます。見た目で判別することもできません。こだわりが極端に強い人もいれば、極端に弱い人もいます。
アスペルガー症候群とは
アスペルガー症候群は、明らかな認知能力の障害や言語発達に遅れがあるわけではありません。
ただ自閉症と同じように、相手の表情から心理を読み取ったり、距離感や話しかけ方が不自然だったりする場合があります。しかし特定の分野に、高い知能を発揮する場合もあります。
幼児期の特徴は、言語能力や知能の発達に遅れがないため、見分けがつかないことが多いですが、一人で遊ぶことを好んだり、同じ遊びを繰り返すなどの傾向があります。
ASDとは
ASDを発症する人のうち80%が男性で、周りの空気を読むことができず、他人の気持ちが理解できないという特徴がありますが、ルールを律儀に守り、公平・公正な精神が強いという特徴もあります。
同じタイプの人は2人としていませんが、基本的な特徴は次の通りです。自閉症とアスペルガー症候群の両方の特徴を併せ持っていますので、どちらかの症状に当てはまればASDであると言えます。
幼い頃からIQが低く、言葉に不自由さが現れます。また、自分の視点にこだわりを持ち、他社の視点を受け入れられないことも挙げられます。
そして、規則的なものに執着する傾向が強く、ある分野での才能が際立つケースもあります。
ただあまりに規則性にこだわりが強すぎると、それをしないと眠れないということや、したかどうか気になって仕方がないという強迫性障害を併発している場合もあります。
最後に
見た目で判断できる障害を持っている人の方が良いとも言えませんが、見た目で判断できない障害を持っている人は、苦労を強いられることでしょう。
普通の人だと思って近づいてきた人に怪訝な顔をされたり、突然発狂して、周りに恐怖心や違和感を与えたりと、様々な場所で苦痛を伴います。
その苦痛を取り除くには、健常者の理解と知識が必要です。自分の子供がこの様な病気だったとしても、必要以上に落ち込まず、正しい知識で対処することが大切です。