
通称ひざのさら「膝蓋骨」の痛みは何が原因?
膝が痛いと、歩くときも困難ですし、立っているだけでもつらいです。
その中でも膝蓋骨(しつがいこつ)通称膝の皿と呼ばれる骨が痛い場合には、様々な病気や障害が考えられます。
また、膝蓋骨の上側、下側、内側、外側のどの部分が痛いのかによっても、考えられる病気が違います。この痛みの原因は何なのか見ていきましょう。
膝蓋骨の上側が痛い場合
考えられる病気は、変形性股関節症です。股関節の骨がすり減ったり、軟骨が減少することで形が変わってしまう病気で、その原因は、過去の股関節の異常や病気の後遺症の可能性が高いです。
30代~50代くらいの女性に多く、股関節が動かしにくいという症状があります。股関節、膝上部、お尻、太ももなどに痛みを感じることが多い病気です。
もう一つ考えられる病気は、膝蓋大腿関節症です。膝の皿や太ももの関節に炎症が起きる病気で、その原因は、加齢による軟骨の減少や使いすぎによる骨の劣化が考えられます。
膝が腫れていたり、膝上部が痛むなどの症状があります。また、膝の皿がズレているような違和感を感じることもあります。
膝蓋骨の下側が痛い場合
考えられる病気は、膝蓋腱炎で通称ジャンパーズニーと呼ばれています。
膝の皿とすねの間の骨が炎症を起こしている病気で、その原因は、スポーツなどで膝を酷使していることです。
特に高校生男子に多く見られ、膝蓋骨の下側に痛みや腫れが生じることが多いです。
膝蓋骨の外側が痛い場合
考えられる病気は、腸脛靭帯炎で通称ランナーズニーと呼ばれています。
太ももの外側にある腸脛靭帯が炎症を起こす病気で、その原因は、膝の変形やO脚による負担が蓄積されたことや膝を酷使した結果です。
主にランナーや登山者に多く見られ、走り終わる前から膝の外側が痛むという症状があります。
膝蓋骨の内側が痛い場合
考えられる病気は、鵞足炎です。
膝の内側にある腱が炎症を起こしている病気で、その原因は、スポーツをしているときに、膝が内側に入ったり、膝が外側に回ってしまうことで摩擦が生じます。
膝を曲げたり伸ばしたりするときに痛み、膝の内側から膝下にかけて痛む場合もあります。
中心部や全体的に痛い場合
考えられる病気は色々ありますが、関節液が過剰に分泌して水がたまる関節水腫になる恐れがあります。
膝の腫れや痛みがあり、何か入っているような違和感があります。
その原因は、膝軟骨や骨のかけらが刺激となる場合が多く、関節液ではなく、血液がたまることもあります。
最後に
膝の皿は、スポーツをしている時などに、ジャンプの着地をしたり、ねじれるような力が加わったときに脱臼することがあります。
ほとんどの場合には、病院へ行く前に元の位置に戻りますが、病院で治療することができます。
脱臼に伴って軟骨や骨が損傷している場合には、早期の手術が必要な場合もありますので、早めに病院へ行くことをおすすめします。
歩く上でとても大切な膝は、異常が見られたらすぐに受診しないと悪化する恐れがありますのでご注意ください。