
膝の外側が痛む「腸脛靭帯炎(ランナーズニー)」とは
膝の外側が痛むのは、ランニングや水泳、バスケットボール、自転車などをする人に多い症状です。
いずれのスポーツも、膝の屈伸運動を伴い、膝を曲げた状態で力を入れる運動です。
この動きが腸脛靭帯炎、通称ランナーズニーと言われる病気を引き起こすのです。
では具体的にどんな病気なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
腸脛靭帯炎(ランナーズニー)とは
ほとんどの場合、使いすぎにより発症する病気です。
長時間に及ぶ練習と、準備体操不足により柔軟性が確保される前に練習を始めてしまうこと、そして休養不足が原因と考えられます。
特にランナーの場合には、アスファルトなどの硬い地面を走り続けることや硬い靴を履いていることが原因にもなります。
特徴としては、初期の症状の場合には、パフォーマンス中に痛みが生じても、休息することで痛みは消滅します。
しかし充分な休息を取らないまま、パフォーマンスを続けると、痛みが回復しないばかりか、どんどん痛みが増してきます。
腸脛靭帯炎(ランナーズニー)の改善方法
基本的には保存療法が有効です。保存療法とは、主に休息をすることです。
患部を休ませることによって炎症を抑えて、自然治癒力によって修復、改善されていきます。
痛みが発症した初期の段階で休息を選択するのは勇気がいることですが、思い切って決断することで、症状を悪化させることなく、早く回復することができます。
しかし練習を休むという不安がどうしても付きまとい、無理をしてしまうという結果になりますので、適切な判断が必要になります。
運動前や運動後のストレッチも有効で、膝関節や股関節周辺をストレッチすることで、凝り固まった関節をほぐし、柔軟性を高めて障害を抑えることができます。
それでも痛みが発症した時には、なるべく早くアイシングをすることが有効で、消炎鎮痛剤を使用する場合もあります。この様に物理的に炎症を抑える方法も効果的です。
手術療法という治療法もありますが、一般的ではありませんので、保存療法が最適です。
腸脛靭帯炎(ランナーズニー)の特徴
坂道や階段などの上り下りの際に、上りよりも下りの際に膝への負担が大きくかかり、腸脛靭帯炎(ランナーズニー)になりやすいと言われています。
発症しやすい人の特徴としては、O脚の人、走行フォームが外側に傾く人、膝関節の変形により膝が不安定な人、体重の負荷が外側にかかりやすい人、かかとがすり減ったシューズを履いている人などが発症しやすいです。
O脚を矯正したり、ウォーミングアップとクールダウンをしっかりとすることが、腸脛靭帯炎(ランナーズニー)の最大の改善方法となります。
最後に
最近のランニングブームで、ランナーズニーになる人が増えています。
充分な知識がないままに、休息の重要性を知らないことが原因です。体重による負荷も大きな原因となります。
もともとダイエットや健康のために始めたはずのランニングで体を壊してしまったら、元も子もありません。
無理をせず適度な運動量を保ち、休息を取り入れながら行うことで、発症を防ぐことができます。
また急激に始めることは避け、始めのうちはウォーキングをするなど、筋力をアップさせてからランニングに挑戦するようにすると良いでしょう。