ALSの症状とその原因をまとめました
- 2015/7/22
- 特徴, 難病・不治の病
- ALS, スーパーオキシド・ジスムターゼ, 筋萎縮性側索硬化症

ALSの症状とその原因をまとめました
ALS、それは難病指定された病気のひとつで、少なくとも現段階では、決して治ることのない病です。
この恐ろしい病気は、あなたを苦しめ、家族を苦しめます。しかしコミュニケーション手段を確保することで、大切な人と、今まで通りの意志の疎通をすることができます。
もしあなたやあなたの大切な人がALSにかかってしまったら、不運を嘆く前に、ALSについて正しい知識を習得し、先回りしていくことが必要なのです。
ALSの症状
ALSは筋委縮性側索硬化症と呼ばれ、全身の筋肉が委縮して弱くなり、歩けなくなるほか、手指の感覚がなくなり、物を持つこともできなくなります。
また、食べ物を飲み込むことも、話すこともできなくなり、いずれは呼吸筋が衰えて、呼吸ができなくなり死に至るという恐ろしい病気です。
人によって進行速度が違うため、2~5年で呼吸不全に陥るか、10数年生き続けることもあります。しかしその間に確実に病状は進行し続けます。
この病気の厄介なところは、病状は進行を続けますが、内臓機能や意識ははっきりとしているため、余計につらい状況であると言えます。
お腹が空いても食べられない、痛いと感じても体を動かせないなど、頭と体が一体化しないのです。
ALSの原因
ALSが発症する原因は、まだはっきりとわかっていませんが、その一つに遺伝的要素があることがわかっています。
両親、兄弟、祖父母などがALSにかかっている場合、発症する確率は高くなります。
その場合、家族性ALSと呼ばれ、全体の約5%を占めています。その中のさらに2割については、スーパーオキシド・ジスムターゼという遺伝子異常が原因であると言われています。
最近ではこのほかにも、原因遺伝子がいくつか見つかっています。
しかしそれ以外の原因がわかっていないので、誰でも発症する可能性がある病気であると言えます。決して人ごとではありません。
ALSの統計
現在ALSにかかっている人は、日本全国で約9200人と言われています。
毎年10万人に1~2.5人が発症していて、女性よりも男性の方が1.2~1.3倍多いことがわかっています。
まれに若い人でも発症しますが、多くの場合、中年以降に発症することが多く、60~70代が最も多いという統計があります。
最近では、認知症を併発する場合も多く報告されています。
ALS患者の傾向
ALSになると食べ物や飲み物が飲み込めなくなり、充分な栄養や水分を摂ることができなくなる傾向にあります。その理由は主に3つあります。
1つ目は嚥下障害といって、飲み込む働きが悪くなり、食事に相当な時間を要するようになるので疲れてしまうのが原因です。
また誤嚥と言って、気管に食べ物や飲み物が入ってむせてしまうため、苦しくて食事が楽しくなくなります。
2つ目は手指や腕などの筋肉も衰えてしまうため、食事や水分を口へ運ぶのが困難になるということです。
そして人に介助してもらうことが精神的にも苦痛で、早く食事を終わらせようとします。
3つ目はトイレに行くにも介助が必要になるという理由からです。
トイレの回数が多いと、介助してもらう回数も多くなるため、やはり精神的に苦痛を感じて、摂取する水分量を意図的に減らしてしまうことになります。
最後に
ALSにかかってしまったら、本人も家族も絶望感を味わうことになるかもしれませんが、食事の調理法や味つけなどを工夫して、少しでも栄養とカロリーを摂取して、体力をつけることが必要です。
一人では何もできないことに嫌気がさすこともあるでしょうが、支えてくれる人に感謝して、前向きに生きていくことが大切です。