
子宮筋腫治療で使われるリュープリンって何?
リュープリンって聞いたことはありますか?子宮筋腫の治療で使う薬なのです。子宮筋腫は婦人科の病気で一番かかりやすい病気です。
これを機会にリュープリンのことや、その治療法を知っておきましょう。
■リュープリンってなに?
子宮筋腫の治療方法には様々ありますが、薬物療法にGnRHアゴニスト(偽閉経療法)と呼ばれる薬物療法があります。リュープリンとは薬物療法で使用する薬の名前です。
リュープリンは一般名をリュープロレリン塩酸塩といい、LH-RH製剤とも呼ばれます。どんな薬かというと、ホルモンの働きをコントロールして疾患の治療を行う薬なんです。
まず、子宮筋腫はエストロゲンという女性ホルモンが関与しているといわれています。これを覚えておいてください。
普段、脳の視床下部という部分からゴナドトロビン放出ホルモン(GnRH)がでて、それが脳下垂体前葉から黄体形成ホルモン(LH)や卵胞刺激ホルモン(FSH)を分泌して、エストロゲンを分泌するように作用しています。
そして、エストロゲンの量が多くなると、ゴナドトロビン放出ホルモンや黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモンの分泌量をコントロールして、エストロゲンの分泌量を減らしています。
では、リュープリンを使うとどうなるのでしょうか。リュープリンを使うと、脳下垂体の前葉に働いて黄体形成ホルモンや卵胞刺激ホルモンの分泌を少なくして、卵巣から出るエストロゲンの分泌を少なくします。
エストロゲンが少なくなることで、子宮筋腫を小さくする効果があります。この治療法は、エストロゲンが少なくなることで閉経期と同じ様な状態になるため、偽閉経療法と呼ばれます。
ホルモンをコントロールするため、リュープリンは子宮筋腫の他にも子宮内膜症や乳がんなどの治療でも使われます。
■点鼻薬もあるって聞いたけどどうなの?
GnRHアゴニストの薬には鼻にスプレーをするタイプの点鼻薬と、お腹へ注射するタイプの注射薬があります。リュープリンは注射薬です。
使用頻度は1か月に1回程度と回数は少なく効果が強いお薬ですが、点鼻薬に比べて費用はやや高いです。また、効果が強いぶん、副作用も出やすくなることがあります。
そのため、どのタイプの薬を使うかは費用や効果、副作用などを総合して判断します。
■リュープリン使用の際の注意点
リュープリンを使っても、子宮筋腫は根治できません。あくまでホルモンの働きを抑えて子宮筋腫を小さくすることを目的とします。
筋腫を小さくした後に、他の治療と組み合わせることもあります。また、長期間使用するとエストロゲンが少ないことにより、ほてりやのぼせといった更年期障害様の症状がでます。
半年以上使うと骨量低下をきたすため、長期の使用はできません。そのため、リュープリンは子宮筋腫を小さくして手術をしやすくするために使用することが多いようです。
最後に
リュープリンだけでなく、どの治療もメリットやデメリットがあります。治療方法に関しては医師と十分話して、自分の納得のいく方法を見つけましょう。
また、リュープリンを使用していて副作用が出る場合は、我慢せずに医師に相談するようにしましょう。