
子宮筋腫で不正出血した時どうすればいいの?
不正出血の原因は疾患によるもの、疾患以外によるものなど多岐にわたります。今回は子宮筋腫と不正出血についてまとめました。
■子宮筋腫の症状は?
子宮筋腫は20~25%の女性に発生するほど罹患率の高い疾患ですが、良性の腫瘍です。
子宮にできるんだから症状はみんな一緒でしょうと思う方もいるかと思いますが、子宮内でも筋腫のできる部位によっておこる症状は異なってきます。
子宮は内側から、内膜、筋層、漿膜に分けられますが、子宮の一番内側にできる筋腫を粘膜下筋腫といいます。
筋腫全体の5~10%と、発生頻度は少ないですが、子宮内膜がひきのばされるので、月経の変化や不正出血など女性器特有の症状が起こりやすくなります。
子宮の筋肉の部分にできるものを筋層内筋腫といいます。子宮筋腫の約70%と発生頻度は高いです。筋層内筋腫は筋腫が大きくなると子宮が変形するため、月経痛や過長月経を引き起こしやすくなります。
一番外側にできる筋腫を漿膜下筋腫といい、子宮筋腫全体の10~20%を占めます。子宮の外側に発生するので症状がないことが多いですが、筋腫が大きくなって子宮のまわりの臓器を圧迫すると、便秘や腰痛を起こすことがあります。
■不正出血って?
不正出血とは、月経時以外で女性器から起こる出血のことを言います。鮮血のような場合もありますし、茶色い出血のような場合もあり、出血の性状は様々です。
不正出血は、器質性出血と機能性出血に分けられます。器質性出血は子宮や膣などの異常によって起こる出血をいい、機能性出血はホルモンバランスの変化による出血をいいます。
器質性出血では、原因となる疾患の治療が必要となります。機能性出血は、思春期や更年期の女性にみられることが多く、様々な検査を行って器質性出血を否定した場合に診断されます。
器質性出血だった場合、治療はホルモン療法を基本として治療を行います。
■子宮筋腫と不正出血
先ほども説明しましたが、子宮筋腫では筋腫ができる場所によっておこる症状が違います。最も不正出血が起こりやすいのは粘膜下筋腫で、次に筋層内筋腫、漿膜下筋腫の順で不正出血が起こりやすくなります。
■不性器出血が起きた場合はどうしたらいいの?
不正出血の原因は様々で、ストレスによるホルモンバランスの崩れや更年期などでもおこることがあります。
逆に、子宮筋腫や子宮内膜症などの女性器疾患が原因の場合もありますし、ずっと放置しておくと病気が進行したり、貧血になったりする可能性もあります。
特に粘膜下筋腫では、出血が持続して貧血になりやすくなるため、自己判断で経過観察をせずに婦人科の診察を受けて医師からの指示を仰ぐことが必要です。
診察時には、不正出血が再び起こった場合にどれくらい経過を見てよいか、どのような状態になったら診察が必要か、医師に相談しておくとよいでしょう。
また、基礎体温表をつけて自分の月経周期を確認できるようにしておくとよいでしょう。
最後に
不正出血は様々な原因から起こります。まずは、自己判断をせずに医師の診察を受けること、そして診察時に自分の月経周期の経過を説明できるように基礎体温表の準備をしたり、不正出血以外の随伴症状などをまとめたりしておくとよいでしょう。