
子宮筋腫って再発しやすい?
子宮筋腫は、治療方法や筋腫の状態によっては再発をする可能性があります。今回は子宮筋腫の治療方法と再発についてお話したいと思います。
■子宮筋腫とは?
子宮筋腫とは、子宮の筋肉の部分にできる良性の腫瘍(こぶ)で、発生や成長にはエストロゲンという女性ホルモンが関与しているといわれています。
婦人科疾患の中で罹患率が最も高く、成熟女性の20~25%に罹患するといわれています。
■子宮筋腫の治療方法って?
子宮筋腫は、様々な治療方法があり、状態や自分の希望によって子宮全摘術、筋腫核出術、薬物療法が選択できます。子宮筋腫自体が小さくて自覚症状も軽い場合は、経過観察で様子をみます。
子宮全摘術は、子宮自体を取り除く方法です。子宮筋腫が小さい場合は膣から子宮を全摘しますが、子宮が大きい場合はお腹を開いて取り出す必要があります。
お腹を開くといっても、良性の子宮筋腫の手術はそれほど難しくないため、身体への負担は大きくありませんし、合併症の起こる頻度も少ないです。
筋腫核出術は、妊娠ができるように子宮を残して、筋腫だけを取り除く方法です。開腹手術と内視鏡手術、膣式手術と呼ばれる腟から筋腫を核出する手術があり、それぞれ、筋腫の発生部位によって手術適応が変わります。
開腹手術では、どこにできた子宮筋腫でとることができますが、開腹をするため内視鏡を使用するよりも身体への負担は大きいです。
薬物治療はGnRHアゴニスト(偽閉経療法)と呼ばれ、ホルモンの分泌を抑えて、子宮筋腫を小さくする方法です。この治療法は副作用として長期間使用すると骨量が少なくなるため、長期療法としては難しい面があります。
■子宮筋腫の再発する可能性
子宮筋腫は、子宮をすべて取り除いてしてしまえば再発することはありません。
しかし、筋腫核出術では、肉眼でみて取り除けていたと思っていても筋腫が残っている場合もあるため、残存していた筋腫が再び大きくなる可能性があります。
また、筋腫が複数個あった場合は再発率も高くなりますし、再び新たな筋腫が発生する可能性もあります。
子宮全摘術を行えば再発を心配する必要性がなくなる一方で、子宮がなくなることで妊娠ができなくなります。もし治療後に妊娠を希望されているのであれば、筋腫核出術など子宮を温存する治療方を選択するのがよいでしょう。
しかし、再発した場合は子宮全摘術を行わなければならない可能性もあるので、子宮筋腫と診断された場合は、医師に治療法のメリットやデメリットを聞いて、十分に理解して治療法を検討しておくことが必要です。
また、説明を聞いてもよくわからなかった、説明に納得がいかなかったという場合はセカンドオピニオンを受けても良いでしょう。
最後に
筋腫の状態や治療方法などにより、子宮筋腫の再発率は異なってきます。挙児希望がある場合に筋腫核出術を行ったとしても、再発をする可能性があり再発時は子宮全摘術が必要な場合もあります。
子宮筋腫は罹患率が高い婦人科疾患で、再発のリスクも考慮したうえで治療方法を検討する必要があります。
子宮筋腫になる人は多いため、罹患した場合はどのように治療を行っていきたいのかパートナーも含めて、予め考えておくとよいでしょう。