
子宮筋腫が小さくなる5つの方法
子宮筋腫には進行状況や症状にもよりますが、治療方針が様々あります。今回は、治療方法も踏まえて子宮筋腫が小さくなる方法をまとめました。
■子宮筋腫の治療方法
治療の種類は、手術療法、薬物療法、経過観察があり、状態によって治療方法が変わってくるので、すべての人が手術をするという事はありません。
子宮筋腫の治療の判断は、月経期間が延びたり月経量が増えたりすることに伴う高度の貧血、筋腫で子宮周囲の臓器へ圧迫する症状があるかどうか、痛み、筋腫の大きさと存在している部位、発生時の年齢、今後妊娠の希望があるかどうかなどを総合して行われます。
また、子宮筋腫の成長度合いは人によって違います。子宮筋腫の成長速度が速かったり、筋腫が大きく症状が強かったりするようであれば経過観察をせずに治療を行うことが必要です。
症状が軽かったり筋腫が小さかったりするようであれば、経過観察となることが多いです。
■子宮筋腫が小さくなる方法
では、子宮筋腫が小さくなる方法を説明します。
①薬物療法を行う
子宮筋腫の治療法には、GnRHアゴニスト(偽閉経療法)と呼ばれる薬物治療があります。これは、卵巣を刺激するホルモンの量を少なくして、エストロゲンとよばれる女性ホルモンの分泌を抑える効果があります。
エストロゲンの分泌が抑えられることで、閉経しているような状態になります。
しかし、エストロゲンが少ないことで更年期に起こる症状と同様の症状が起こりやすく、長期間使用すると骨量の低下をきたしやすいことにより、長期間の投与は難しい方法です。
②子宮筋腫を栄養する血管を遮断する
これは、UAE(子宮動脈塞栓術)と呼ばれ、子宮筋腫への栄養を断つためにカテーテルを使用して血管に塞栓物質を詰めて、筋腫を小さくさせて壊死させる方法です。
妊娠をすることを希望しない、閉経前である、など適応が限られてくるのですが、手術と比較して身体への負担は少ない方法です。
③超音波を使用して治療する
FUS(MRガイド下集束超音波療法)とよばれ、子宮に超音波をあてて筋腫を焼く方法です。筋腫は焼かれて壊死することで数か月かけて組織内に吸収されます。
これも、UAEと同様、今後妊娠の希望がなくが筋腫の数が3つ以内である、など適応が限られていますが、日帰りの治療が可能です。
④漢方を使用する
漢方では、血液の循環が悪いことで腫瘍ができると考えられており、血流を改善することで子宮筋腫が小さくなる場合もあるようです。
ただし、効果には個人差があり、人によって合う漢方や合わない漢方があります。
⑤規則正しい生活を送る
子宮筋腫は大きくなることにエストロゲンが関与していることもあり、ホルモンバランスの変化で子宮筋腫が大きくなる可能性もあります。
3食しっかりと食事をとる、休息を十分にとるなど心身ともにストレスをかけない生活を送ることで、子宮筋腫が小さくなることもあるようです。
最後に
子宮筋腫は女性の罹患率が高い疾患ですが、どのような女性が罹患するかはまだはっきりとわかっていません。
進行状況も個人差があり、人によっては急に大きくなる場合がありますし、逆に小さくなる場合もあります。疾患の経過観察や漢方の使用などの判断は自分で行わずに、医師に相談するようにして指示を受けるようにしましょう。
また、規則正しい生活は治療と並行して実施可能で身体に負担をかけない方法なので、無理のない程度で実施するとよいでしょう。