
子宮筋腫に効く5つの漢方で痛みを緩和しよう
子宮筋腫。女性の罹患率が高い疾患で、子宮筋腫ができる部位によって痛みの出現の仕方も変わってきます。ここでは、子宮筋腫からくる痛みに効果のある漢方薬をご紹介します。
子宮筋腫って?
成熟女性の4~5人に1人が、子宮筋腫になるといわれています。原因はホルモンの影響が大きいとされています。
腫瘤の大きさにもよりますが、手術や薬物治療、数か月ごとの経過観察が治療法となります。
なぜ、子宮筋腫で痛みがでるの?
子宮筋腫は、子宮内の発生する部位によって3パターンに分かれます。
まず、筋層内筋腫。これは子宮の筋肉と筋肉の間に発生する筋腫です。子宮筋腫全体の約70%を占めます。次に漿膜下筋腫。子宮の外側の膜の部分にできる筋腫で、約10~20%を占めます。最後に、粘膜下筋腫。
これは、子宮内膜の部分にできて子宮内に向けて発達する筋腫です。全体の約5~10%を占めます。
子宮筋腫は、できる部分によって症状が違います。
筋層内筋腫は、筋肉間に子宮筋腫ができることで子宮の形がゆがみ、子宮の収縮が妨げられることで痛みが出現します。
漿膜下筋腫は、子宮外側に向けて筋腫が大きくなるため、収縮時に痛みを伴うことは少ないですが、子宮以外の臓器、例えば腸や神経を圧迫することで便秘や腰痛を引き起こします。
粘膜下筋腫は、子宮の内側に向けて大きくなりますが、筋腫を排除しようと子宮の収縮が強くなることで月経痛の増強や、陣痛に似た下腹部痛が出現することがあります。
漢方と子宮筋腫
子宮筋腫で漢方薬は、女性の下半身の血流改善を目的として使用されます。
漢方では、血流の滞りによって腫瘍が生まれると考えられているようです。血流の滞りによって生まれる物質を「お血(おけつ)」と呼び、お血によって血液の流れが悪くなることで月経不順などの症状が起きます。
お血の流れが悪くなる原因は人によって異なりますが、漢方医学では血流の改善を目的として、漢方を組み合わせます。
どのような漢方がおすすめなの?
それではおすすめ漢方を5つ紹介します。漢方ということに留意してください。
①桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
桂枝茯苓丸は、血行を促進する桂皮(けいひ)、血行を改善する牡丹皮(ぼたんぴ)や桃仁(とうにん)、といった5種類の生薬が組み合わされています。これにより体のうっ血の緩和や消炎作用などの効果がみられます。
②加味逍遥酸(かみしょうようさん)
加味逍遥酸は、柴胡(さいこ)、芍薬、蒼朮(そうじゅつ)や牡丹皮など10種類を組み合わせています。血流をよくするもの、痛みを緩和するもの、上半身の熱を冷ますものなどの生薬が組み合わされています。
③大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
鎮痛効果のある大黄(だいおう)、牡丹皮、桃仁、などの5種類の生薬を組み合わせています。血液の流れをよくする他に、炎症を抑える働きがあります。
④桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
大黄、桃仁、桂皮などの5種類の生薬を組み合わせています。血流の改善をする他に、痛みの緩和やイライラや不安を落ち着かせる効果もあります。
⑤当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血行をよくする当帰(とうき)や川きゅう(せんきゅう)、炎症を取り除き止痛効果のある芍薬など6種類の生薬が組み合わされています。
血液の流れをよくして、貧血症状を改善したりホルモンバランスを整える効果の他に、痛みを和らげる効果もあります。
最後に
漢方は子宮筋腫をなくす、というように根治を目的として使用することは難しいですが、痛みなどの症状の緩和や筋腫の増大を抑える効果もあります。
効果は個人差があるので、自分に合った漢方薬を見つけて少しでも苦痛を取り除けるようにしていきたいですね。
漢方を使用したいと考えている場合は、漢方薬局に行くなどして自分の症状を説明して自分に合った漢方を紹介してもらいましょう。