
子宮筋腫の手術って何するの?正しい知識で不安を取り除こう
成人女性の罹患率が高いといわれている子宮筋腫。急に子宮筋腫って診断されて手術を勧められたけれど、一体子宮筋腫の手術って何をするの?と思った方も多いはず。
ここでは、子宮筋腫の手術についてご説明します。知識をつけて少しでも不安を解消しましょう。
子宮筋腫とは?
子宮の筋肉層に発生する良性の腫瘍です。生殖年齢の女性の約4~5人に一人の割合で発生します。
ほとんどが子宮体部に発生し、悪性化することは稀ですが、悪性化した場合はガンになります。人によっては子宮の様々な部分にいくつか筋腫が発生することもあります。
どんな子宮筋腫が手術になるの?
まず悪性の子宮筋腫。つまり、ガンです。腫瘤の大きさが8cm以上で、MRIで悪性の所見がある場合には、根治療法が必要になります。根治するためには、ガンを中心に子宮を全摘する必要があります。
次に、悪性の可能性がない場合ですが、腫瘤の大きさや、症状、腫瘤の発達状況、妊娠を希望するかによって治療方法を決定します。
貧血がひどかったり、圧迫症状があったり、筋腫が急に大きくなったりするようであれば根治療法と保存療法を考慮します。
もし妊娠を希望しなければ根治療法として子宮を全摘しますが、妊娠を希望するのであれば、筋腫核出術と呼ばれる手術や、薬物療法を行っていきます。
筋腫の増大がゆっくりで症状も軽い場合は、数か月ごとの検診で経過をみます。
手術はどんなことをするの?
手術といっても様々な手術がありますし、負担の大きい手術では合併症もおこりやすくなります。では、どのような手術があるか簡単に説明しましょう。
①子宮全摘術
子宮全摘術では、子宮を全部取り除きます。子宮筋腫が小さい場合は膣から子宮を摘出しますが、子宮が大きい場合は開腹して子宮を取り出す必要があります。
開腹手術といっても、良性の子宮筋腫の場合は手術難易度や体への負担はそれほど大きくありませんし、合併症の起こる頻度も少ないです。
ただし、悪性の場合は、広汎子宮全摘術といって切除範囲も広くなるため、手術の難易度も上がり、体への負担も大きくなり、合併症も起こりやすくなります。
②筋腫核出術
筋腫核出術では、妊娠ができるように子宮を温存して、筋腫のみを取り除きます。開腹手術と内視鏡手術、膣式と呼ばれる経腟的に筋腫を核出する手術があり、それぞれ、筋腫の発生部位によって手術適応が変わります。
開腹手術では、すべてのタイプの筋腫に適応可能ですが、開腹をするため体への負担も大きいです。膣式では、頸部筋腫のみに適応が絞られます。
内視鏡では、腹腔鏡と子宮鏡の2種類があります。腹腔鏡を使用した手術では、お腹にいくつか穴をあけてお腹をガスで膨らませた後に、腹腔鏡を挿入しながら筋腫を取り除きます。
筋層内筋腫、漿膜下筋腫が適応です。子宮鏡では膣から子宮鏡を挿入して筋腫を取り除きます。粘膜下筋腫が適応です。
どちらも、お腹を開くことなく手術を行えるため、体への負担も少なく入院期間が短縮できますが、熟練した技術が必要となります。
また、子宮を残すため妊娠できる可能性はありますが、筋腫が再発する可性も出てきます。
最後に
いかがでしたか?子宮筋腫の手術といっても症状や挙児希望により、様々な選択肢があります。子宮筋腫は罹患率の高い疾患のため、妊娠の希望等も考慮して今後どのような治療を行っていきたいか、考えておくのも良いでしょう。