
意外と知られていない腰痛の原因となる内臓疾患とは
ひとくちに腰痛といってもその原因は様々です。腰痛の85%が原因不明といわれていますが、腎臓や消化器、婦人科など内臓疾患が原因で腰が痛むことがあるのはご存知でしょうか?
ただの腰痛ではない、意外と怖い腰痛に潜む内臓疾患をここでは紹介します。
■腎臓病
腎盂腎炎や尿路結石などで腰の痛みが起こります。ここでは尿路結石についてとりあげてみます。
尿の管に石ができることでその周辺を圧迫し、腎臓に負担がかかります。これが背中や腰の痛みにつながります。
水が出ているホースを思い浮かべてください。水道は腎臓、ホースは尿の管となります。石がはいりこんでいる場合、出口からでる量が減り、ホースの中は圧が高くなりますね。
腎臓(水道)に石があってもそこまで影響はありません。実際何も感じないか鈍い痛みがある程度です。しかし尿の管(ホース)に石がでてきた場合、ホースは詰まり、水の出も悪くなります。
完全に詰まった状態は寝ていられないほどの激痛を伴います。砂が水に混ざっていてもホースは詰まらないように、小さな結石では痛みもほとんどなく自然に出てくることもあります。
吐き気や血尿などがあり、激痛を伴った腰痛の場合には結石ができている可能性があります。
■消化器疾患
胃・十二指腸潰瘍や膵炎、胆石、便秘が原因でも腰痛は起こります。ここでは慢性膵炎についてとりあげます。
チュートリアルの福田充徳さんがかかったことで一時期とても話題になりました。慢性膵炎はお酒を飲む人、特に男性に多い病気です。
お酒を飲んだ日や脂っこい食べ物を食べた後に胃の周辺が痛くなる方は注意が必要です。腰や背中の痛みが実は膵炎からきていた!という場合があります。
激痛のある急性膵炎と違い、ときどき胃の痛みがある程度のため気付きにくい病気です。おもにお酒が原因でかかるこの膵炎、進行すると糖尿病や栄養失調を招く原因にもなります。
福田充徳さんは仕事に復帰後、かなりやせ細っていたことにお気づきでしたか?
普通に食べているのに体重が減る、白っぽい下痢便で脂が便器に浮いている時は膵炎が潜んでいる疑いがあります。

■婦人科疾患
婦人科疾患では主に月経時に腰痛をともなう事が多いです。
生理の時に腰やおなかがひどく痛む方はたくさんいます。総称して月経困難症と呼び、子宮筋腫や子宮内膜症などを原因としていることが多いです。
子宮筋腫は女性の7割の方が持っていると言われますが、筋腫の大きさにより痛みも変わってきます。
生理日の前後には子宮の内側の膜から痛みホルモンが出てきます。このホルモンが必要以上に子宮を収縮させるため生理痛の原因となるのです。
子宮筋腫や子宮内膜症の方では子宮の膜が多いため、痛みホルモンの量が増え、より痛みが強くなります。
軽い場合は市販の痛み止めでも対処できますが、ひどい痛みを感じる場合にはピルなどが効きます。婦人科に相談しましょう。
■まとめ
たかが腰痛、されど腰痛です。ここでは腰痛の原因疾患のほんの一部をとりあげましたが、内臓だけでなく白血病やがんなど命にかかわる疾患が潜んでいる場合もあります。
健康診断をしっかり受けて健康な体を作りましょう。