
あせもと勘違い?子どもに多い紫斑病(しはんびょう)の症状や治し方
「アザは子供の勲章」なんていわれます。ころんだり、ぶつかったり、元気な証拠ですね。
でも、ぶつけた覚えがないのにアザができたらどうでしょう。手をついて立ち上がっただけで、手の平にアザが・・・。それは『紫斑病(しはんびょう)』かも知れません。
どんな症状?
皮下に紫褐色(しかっしょく)の斑(はん)ができます。斑の大きさは1~5mmで、重力のかかるおしりや足首、手などにできることがおおく、水疱(すいほう)や潰瘍(かいよう)が混在することもあります。
小さい斑は、あせもなどの発疹とまちがえられがちですが、指でおしてみても赤みが消えない場合は「紫斑」です。
いくつか種類がある紫斑病には、おおまかに分けると、血管がもろくなり出血する「血管性紫斑病(アレルギー性紫斑病)」と、血小板がへり、血がかたまりにくくなってしまう「血小板減少性紫斑病」があります。
血管性の場合は、アレルギーでもろくなった血管が出血しておこります。それが皮膚周辺でおこれば紫斑、筋肉でおこれば筋肉痛、関節でおこれば関節炎をひきおこします。
関節の腫れや痛み、腹痛や血便をともないます。紫斑はおもに下半身にでることが多いです。
血小板減少性の場合は、全身の紫斑にくわえ、歯ぐきや鼻などから出血することもあります。胃腸からの出血は、吐血や下血をおこします。
いったい何が原因?
くわしいメカニズムは解明されていませんが、どちらのタイプも自己の免疫障害であると考えられています。
血管性の場合は、感染症や薬剤、または食べ物などが血管にアレルギーをおこしています。血小板減少性は、血管がもろいうえに、血小板までもが破壊され、止血がむずかしくなる病気です。
紫斑病の中では、血管性がもっとも多くみられる病気です。
病院で治すには
この病気は自然治癒してしまうことが多く、治療は通常は必要ないとも言われています。
ステロイド剤や免疫抑制剤を使用すれば、数週間ほどで完治するケースがほとんどです。
しかし、まれに出血がひどくて腎炎になったり、大量出血等により死亡する例もあるので、そうならないように、定期的な尿検査が必要です。
自分でできること
紫斑病のおおくは「安静にすること」が基本的な治療です。止血能力がひくくなっていますので、とくにけがなどで出血しないように、じゅうぶん気をつけてください。ストレスや疲れをためないことも大事です。
同じ紫斑病患者でも、少しの安静でよくなる場合もあれば、入浴や少しの運動も禁止される場合があります。病状により「安静」の方法がことなりますので、医師の指示にしたがいましょう。
予防するには
アレルギーの原因になるのは、感染症、薬剤、食物などが考えられます。病気にかからないこと、また、アレルギーの原因となる物質との接触をさけるようにしてください。
具体策としては、うがい、手あらい、消毒、歯みがきなどを徹底すること、部屋を清潔に保つこと、人ごみなどの感染源となる場所をさけること、定期検査をうけることなどです。
くわえて、生活習慣をみなおすことも、免疫の正常化や、アレルギーを起こしにくい体を作ることができます。何でもよく食べ、しっかり寝て、楽しく毎日を過ごしましょう。
また、ビタミンCが血小板の増強に良いとされるので、積極的にとりましょう。ビタミンCは、果物、野菜に多くふくまれます。
最後に
紫斑病は一般的に、幼児におおい病気です。お子さんがなった時は注意しましょう。
また、まれに成人でも発病します。くわしい原因は不明なところが多いのですが、やっぱり生活習慣と関係があるみたいです。最悪の場合は死にいたることある病気ですので、しっかり予防したいものです。