目や肌が黄色!?肝臓のSOSと言われる黄疸の症状、原因、治療方法など

目や肌が黄色!?肝臓のSOSと言われる黄疸の症状、原因、治療方法など
皮膚や白目が黄色い・・・。見た目のインパクトに、なんだかたいへんな病気の末期症状を感じさせます。
実際それもまちがいではないのですが、黄疸はそこまで深刻になる必要もなく、早期に治療すればまだまだ間に合います。
どんな症状?
黄疸はまず目で見てわかります。身体や白目の部分が黄色っぽい、尿の色がひどく濃い(ビール瓶の様な濃い茶褐色になることも)、便の色がうすく黄金色をしているなど、とにかく「黄色」がキーワードです。
皮膚のかゆみや感冒様症状(風邪の症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、のどの痛み、発熱、全身の倦怠感、頭痛、下痢、関節や筋肉のいたみ)をともなう場合もあります。
いったい何が原因?
「ビリルビン」という物質がふえることが原因です。ビリルビンとは赤血球がこわされるときにつくられる物質です。
血液中の赤血球は、体中に酸素をとどけるため一生懸命働きつづけます。
でも120日くらいたつころにはもうボロボロ。しかし酸素供給をとめるわけにはいきません。
そのため、体の中では定期的にあたらしい赤血球がつくられ、古いものは破壊処理されているのです。その処理のときにできるのが、ビリルビンという黄色い色素をもった物質です。
処理の「ついで」にできたものとはいえ、胆汁の成分となるもので、脂肪の消化吸収に非常に役立っています。
役目をおえたビリルビンは、通常であれば老廃物と一緒に尿などとして排出されます。人や動物のふん尿が黄褐色なのはこのためです。
しかし、胆道系にトラブルがあると、血液中にビリルビンがいっぱいたまっていき、粘膜や皮膚に沈着し、白目や皮膚の色をそめていくのです。
しかも皮膚の末梢神経を刺激するので、体中に強いかゆみをひきおこすこともあります。
治し方
黄疸は病気ではありませんので、黄疸そのものに対する治療法は存在しません。根本的な治療法は、原因となっている病気をなおすことです。
「黄疸=肝臓系の病気」です。まずは安静にして、肝臓にじゅうぶんに血液がいくように心がけましょう。
動くとそちらに優先的に血液がおくられてしまうので、寝るのが一番ですね。また、バランスの良い食事をとるのも大事です。
とはいえ、肝臓系の病気といっても種類はさまざま。慢性肝炎や肝硬変、アルコール性肝障害に脂肪肝、自己免疫性肝炎かもしれないし、薬剤性肝炎?もしかしたら胆管ガン、肝門部肝ガン、膵頭部ガンということも。
病気の種類や病状によって、治療法が大きく異なります。不調だからといって、自分で勝手に市販薬を買ってきてのんでしまうと、逆に肝臓に負担をかけることもありますので、きちんと医師の診断をうけましょう。
ただしくケアすれば、病気がよくなるにつれて黄疸はみられなくなります。
最後に
肝臓は体でもっとも重要な臓器の一つです。
食べた物を体内で利用できる形につくりかえたり、体内の有害物質を無害化したり、消化吸収や排せつをたすけたり・・・、500以上もの仕事をこなす「スーパー臓器」といわれています。
さらに根性もあってギリギリまで不調を訴えず、気づいた時には手遅れということもあります。黄疸はそんな肝臓からのSOSです、はやめに気づいてケアしてあげましょう。