
万病の元!ホルモンが低下する甲状腺機能低下症とは!?
「だるくて何もする気にならない」
「あんまり食べてないのに、また太っちゃってる!」
「最近むくみがひどいなあ」
「肌荒れもひどいし、便秘がちだし、そういえば耳鳴りもするようになった!」
最近、こんな症状に悩まされていませんか?それは、単に疲れがたまっているだけなのでしょうか。もしかしたら『甲状腺機能低下症』かもしれません。
甲状腺機能低下症ってどんな症状?
甲状腺とは、のどぼとけの下のあたりにあり、甲状腺ホルモンを作り分泌している臓器です。甲状腺ホルモンとは、たとえて言うならば機械にさすオイルです。
どんなにいい機械も、さびついていたら満足に機能できませんよね。
つまり甲状腺機能低下症になると、血液中の甲状腺ホルモン量が少なくて身体がうまく機能できていないのです。
甲状腺ホルモンが低下すると?
甲状腺ホルモンが低下すると、全身のいろいろなところに影響がでます。たとえば、胃腸の機能が低下してうまく消化ができないので食がほそくなり、排せつができないので便秘がちになり体重もふえます。
栄養が十分とれなければ元気がなくなり、頭も働きませんね。ほかにも、「体温低下」、「コレステロール値や血圧、中性脂肪値の上昇」、「白髪や抜け毛の増加」、「声質劣化」、「筋力低下」・・・などなど。
症状が非常にゆっくりでゆるやかなので、ただの体調不良や老化現象だろうと軽視されがちですが、実は心臓病、糖尿病、更年期障害、うつ病、認知症、アトピー、咽頭がん、腎臓病、リンパ浮腫、子宮筋腫など・・・たくさんの病気の可能性がひそんでいるのです。
いったい何が原因?
ほとんどの場合、原因は自身の免疫異常にあります。
代表的なのは甲状腺に慢性の炎症がある『橋本病』です。世界で初めてこの病気についての論文を発表した橋本博士のなまえにちなんで、その名がつきました。
ほかには特発性粘液水腫といって、甲状腺が破壊されたために、ホルモンがつくれなくなってしまう病気もあります。
たとえ橋本病であっても、炎症があるだけで、甲状腺ホルモンが正常につくられるのであれば治療を急ぐ必要はありません。
しかし、特発性粘液水腫のようにホルモンが作れず、ホルモン量の低下がある場合には治療が必要です。このように、同じ甲状腺機能低下症でも病気によって治療法がことなります。
まずは専門的な検査をうけて、病名をはっきりさせてから治療をはじめましょう。
治し方
ホルモンを補てんするために、合成甲状腺ホルモン剤を服用します。しかし覚えておきたいのは、これが自己免疫異常の病気だということ。
完全に治すことはできません。かと言って「どうせ治らないから・・・」と、途中で薬の服用をやめたりしないでください。
重症化すると動脈硬化がすすみ、不整脈や腎不全、心疾患などの重篤な病気をひきおこしかねません。薬は一生涯あなたのパートナーです、根気よく服用をつづけましょう。
予防するには
なによりアレルギー体質を改善することですですが、他にもできることはあります。
甲状腺機能低下症になると心身ともに活力が低下するので、特に怠惰な生活をおくりがちですが、症状を改善するためには「規則正しい生活」が不可欠なのです。
しっかり朝日をあび、食事で血糖値をあげ、きまった時間に就寝することで、くるった体内時計をもとにもどしましょう。
甲状腺ホルモンの合成に欠かせないのは「ヨウ素(海草や海藻に多くふくまれます)」ですが、摂取には注意が必要です。
海産物を多くたべる習慣のある日本では、通常の食事をしていればヨウ素不足となることはありません。
サプリなどでヨウ素を過剰に摂取すると、さらなる機能低下につながることがあるので気をつけましょう。
しばらく症状がおちついていても、転校や引っ越し、就職など、環境がかわったストレスで症状が出ることがあるようです。ストレスにつよくなる努力も必要です。
最後に
不調を感じても、痛みや傷などのはっきりとした症状がないと気のせいにしてしまいがちですが、甲状腺ホルモンの不足の場合もあるのです。
怖い病気の入り口にもなりかねません、大した症状ではないうちに、一度病院でご自分の体質を検査しておいてはいかがでしょうか。